区画は常に有効なのではなく、飛行フェーズごとに適用の有無が切り替わります。ヘリコプターの細則では「減点区画にメインローターマストが進入した場合は減点、不合格区画に進入した場合は不合格」と定められ、科目図面ごとに適用条件(内側減点区画のH⇄A間無効、横移動時のみ有効、目視外ホバリング時は不合格区画を設定しない等)が注記されています。ビジュアライザーではこの注記に沿って区画を明滅させています。
| 飛行フェーズ | 不合格区画 (進入で不合格) |
減点区画 (進入で5点減点) |
減点区画(内側) ※スクエア飛行のみ |
着陸・ホバリング区画 (直径5mの円) |
|---|---|---|---|---|
| 離陸 〜 H直上ホバリング | - | - | - | ○ |
| H ⇄ A間の移動(スクエア飛行) | ○ | ○(外側) | 無効 | - |
| 経路上の飛行(スクエア・円周) | ○ | ○ | ○ | - |
| 異常事態における飛行の側方移動 (二等基本・25kg限定変更) | ○ 横移動時のみ有効 | ○ 横移動時のみ有効 | - | - |
| 緊急着陸の指示後 〜 指定着陸地点への移動 | - | - | - | - |
| 目視外ホバリング (位置安定機能異常事態) | 設定しない | 減点円(所定位置から5m逸脱)のみ | - | - |
| 高高度ホバリング(一等のみ・50m/100m) | 区画に代えて直径30mサークルからの逸脱=制御不能(不合格)と判定可。 ホバリング開始高度から±15m以上の高度変動も制御不能(不合格)。 | - | ||
| 着陸地点上空 〜 接地 | - | - | - | ○ |
※ 定められた区画(着陸・ホバリング区画)=離着陸地点中心から直径5mの円。マストの逸脱で5点減点(マルチローターの直径2mより大きく、機体サイズを考慮)。
そのほかの主な適用ルール:
①区画進入の判定はすべてメインローターマストの位置
②減点区画への飛行区画ごとの初回進入は、通知後速やかに経路復帰すれば減点なし
③スクエア飛行では離着陸地点(H)⇄A地点間の移動時に内側減点区画が無効
④目視外ホバリング時は不合格区画を設定しない(目視内限定変更の位置安定機能異常事態)
⑤円周飛行で円の中心を含まずに周回した場合は制御不能(不合格)扱い。
最大の違いは想定する飛行の前提です。二等は「立入管理措置を講じた上で」(第三者が立ち入らない環境)、一等は「立入管理措置を講ずることなく」(第三者上空を含む、いわゆるカテゴリーⅢ相当)の飛行を安全に行える能力を確認します。このため一等は合格基準・操縦難度とも一段高く設定されています。
| 項目 | 一等無人航空機操縦士 | 二等無人航空機操縦士 |
|---|---|---|
| 想定する飛行 | 立入管理措置なしで行う飛行(第三者上空を含む)を安全に実施する能力を確認 | 立入管理措置ありで行う飛行を安全に実施する能力を確認 |
| 合格基準 | 100点持ち点の減点式で80点以上 | 100点持ち点の減点式で70点以上 |
| 位置安定機能 (GNSS・ビジョンセンサー等) |
全科目OFF(基本・夜間・目視外・25kgすべて手動での位置保持) | スクエア・円周はON。 「異常事態における飛行」「位置安定機能異常事態における飛行」のみOFF |
| 実技科目(基本) | ① 高度変化を伴うスクエア飛行(5m⇄10m)<8分> ② 円周飛行(直径16m・正逆各2周連続)<10分> ③ 高高度飛行(A地点50m・B地点100mで正面・対面ホバリング各10秒)<15分> |
① スクエア飛行(高度5m一定)<8分> ② 円周飛行(直径16m・正逆各2周連続)<10分> ③ 異常事態における飛行(機首固定の側方移動+緊急着陸)<5分> |
| 高度域・高度変化 | スクエア飛行中の上昇・下降(5⇄10m)、最大100mの高高度ホバリング(±15m変動で不合格)、旋回による降下(ボーテックスリングステート回避) | 基本科目は高度5m一定(目視外は10m一定)。高高度科目はなし |
| 緊急・異常事態対応 | 基本科目に緊急着陸はなし。目視外の「位置安定機能異常事態」で、目視外ホバリング10秒→カメラ確認のみで左右いずれかの緊急着陸地点へ移動して着陸 | 基本科目③でGNSS等OFFの側方移動中に緊急事態→その場ホバリング→高度維持のまま最短経路で指定着陸地点(H・離着陸地点)へ緊急着陸 |
| 机上試験 | 5問/10分(誤答・未回答は1問5点減点) | 4問/5分(同左) |
| 共通事項 | 区画判定はメインローターマスト基準、着陸・ホバリング区画は直径5mの円、スクエア経路20m四方・円周直径16mの共通コース寸法(減点区画2.5m・不合格区画6m/円周の不合格は8m)、円周飛行の「中心を含まない周回=制御不能」、一発不合格項目(墜落・衝突・制御不能、不合格区画進入、制限時間超過、危険な飛行〔概ね10m/s以上〕、操作介入、不正行為等)、減点区画進入5点・ふらつき/不円滑/機首方向不良1点といった減点体系は両等級で共通 | |
※ 本改正(国空無機第298768号)は令和8年6月5日施行。第Ⅶ章の準用規定により、登録講習機関の修了審査にも読み替えのうえ適用されます。
| 限定変更 | 一等 | 二等 |
|---|---|---|
| 昼間飛行の限定変更 (夜間・150ルクス以下) |
スクエア飛行のみ(GNSS等OFF・高度5m一定・機首は常に進行方向)<10分> | スクエア飛行のみ(GNSS等ON・高度5m一定・機首は常に進行方向)<10分> |
| 目視内飛行の限定変更 (目視外・カメラ画像のみ) |
①高度変化を伴うスクエア飛行(OFF・高度10m⇄20m)<12分> ②位置安定機能異常事態:目視外ホバリング10秒→カメラで安全確認しながら左右いずれかの緊急着陸地点へ移動→高度3.5mまで降下(=着陸とみなす)<5分> |
①スクエア飛行(ON・高度10m一定)<15分> ②位置安定機能異常事態:目視外ホバリング10秒→その場で高度3.5mまで降下(=着陸とみなす)→目視内で着陸<5分> |
| 最大離陸重量25kg未満の 限定変更(25kg以上機体) |
基本と同一の3科目(高度変化を伴うスクエア・円周・高高度飛行/すべてOFF)を25kg以上のヘリコプターで実施。コース寸法・区画は基本と同一 | 基本と同一の3科目(スクエア・円周=ON/異常事態=OFF)を25kg以上のヘリコプターで実施。コース寸法・区画は基本と同一 |
※ 夜間はマルチローターと異なり、ヘリコプターでは両等級とも「スクエア飛行」1科目のみです。目視外スクエア飛行の一等はGNSS等OFFのまま高度変化も行う点がマルチローター(ON)との大きな違いです。
※ 図・寸法・タイミングは細則の記載をもとにした概念図であり、実際の試験実施要領・採点は原文(実地試験実施細則)が優先されます。夜間シナリオは150ルクス以下の暗所(機体灯火搭載)を、目視外シナリオは機体カメラ映像(画面右下)を再現しています。